歯周基本治療で治らないとき 歯周病治療最後の砦~歯周組織再生療法とは~
歯周基本治療のスケーリング&ルートプレーニングでは改善できない重度歯周病に対して歯を残すための最後の砦となる保存的な治療です。
歯茎の中深くに隠れている歯石は確認することができず、手術で直接見えるようにして根の周りを徹底的にきれいにする方法です。
歯石に汚染された歯根をきれいにするだけでもある程度歯茎が引き締まりますが、失われた骨は戻りません。
そして進行した歯周病では歯を支える骨が痩せているため、手術後に歯の揺れが大きくなってしまうことがあります。
『歯周組織再生療法』は、失われた骨を回復し、歯茎の痩せを最小限に抑え、深い歯周ポケットの改善が期待できる画期的な治療法です。
歯の揺れが改善し安心して噛めるようになる可能性があり、重度歯周病の歯を守るための理想的な治療法といえます。
一方、治療自体が非常に繊細で精度の高い治療手技が要求され、術前から治療結果が100%予測できるものではないという側面もあります。適応症か否かしっかり診断し、他の治療方法と比ベて治療方針を慎重に判断することが大切です。
当院ではマイクロスコープ(歯科用実体顕微鏡)を用いた手術を行うことで精度向上に努めています。
現在国内で使用する再生材料としては、世界中で20年以上の多くの実績があるエムドゲイン蛋白(自費適応)や、近年国内で開発されたリグロスという再生医薬品(単体使用のみ保険適応)があります。似た使用方法ではありますが、それぞれの特徴や向き不向きがあるため、それぞれの病状にあわせて治療法を相談することが大切です。
【臨床例】