毎日歯の周りの汚れを取るために行う、歯磨き。汚れを取りたいけれど、歯茎は傷つけたくない。

本来歯茎に覆われているべき歯根が露出した状態のことを『歯肉退縮』といいます。

歯肉退縮は、デリケートな薄い歯茎が過度なブラッシング圧によって傷ついてしまった場合や、歯周病菌の感染、そして矯正治療後などさまざまな場面で起こっています。

日本人に対する調査ではおよそ75%という高い有病率が報告されており、歯茎の下がりやすい部分は、そもそも歯茎自体が薄い、歯の並びが悪いなどの問題を抱えていることが多く、退縮を放置すると経年的に進行してしまうことが報告されており、注意が必要です。

露出した歯根表面はゾウゲ質で柔らかく、歯冠エナメル質より削れやすかったり、虫歯の酸に弱いなどの特徴があり、問題を起こさずに長期に維持管理することが難しくなってしまいます。

そのため露出根面の虫歯(根面う蝕)や、知覚過敏、長い歯の見た目などの問題を併発していることがあり、治療対象となる場合が多くあります。

力加減を歯茎の状況に合わせて適切に改善することが大切ですが、そもそも薄い歯茎の場合には力加減が非常に難しいのです。

歯磨き圧に耐えうる歯茎に改善したり、露出歯根を覆う目的で『歯肉移植をともなう根面被覆手術』が効果的な場合がありますので、日常管理が難しい場合にはご相談ください。

 

【臨床例】

御所南しげおかデンタルオフィス